日本の探偵に必要な免許や資格とは?海外との違い
日本の探偵に必要な免許や資格とは?海外との違い

探偵になりたい
探偵事務所を開きたい

など、探偵業に対して「仕事」として興味を持つ方も多いかもしれません。
そこで今回は探偵として働くために必要な資格や、探偵業の始め方などについて調べてみました。

また、同時に海外における探偵業についても簡単に調べ、日本と海外の制度を比較してみようと思います。

探偵になるために必要な資格は?

まず、探偵として働くために必要な資格に関して調べてみました。
結論から言うと、 探偵として必要な資格は、日本国内にはないことが判明。これは日本における探偵業の考え方に大きな理由があるようです。

日本の探偵は「法令遵守」が大前提となっています。
つまり、探偵だからといって特別な権限はなく、我々一般人ができる範囲でしか調査ができないということになります。

特別な権限を持たないということは、特別な資格も必要がないということ

つまり、国が設定しているような資格試験は存在しないということになります。

ちなみに「一般社団法人 日本探偵業協会」では、「一級探偵調査士検定」や「探偵業務管理者検定」といった検定試験を行っています。

この検定試験はどのような意味を持つのでしょう?

実はこの検定試験は、「探偵業にかかわるもののスキル向上」を目指して設けられた検定試験であり、 この検定試験に合格していないと探偵になれないというわけではありません。

感覚としては、「探偵として働く上で、さらに箔がつく」のがこの検定試験の立ち位置。 持っていなければいけないのではなく、持っていればさらに評価が上がるといった感覚の検定となります。

探偵に求められる免許とは?

探偵になることに特別な資格がないことは上で触れた通り。
では、何の資格がなくても探偵にはなれるのでしょうか?

地道に探せば、なれると言えばなれると思いますが、必ずなれるとも言い切れません。

これは日本における探偵の仕事を考えれば分かり易いかもしれません

日本の探偵事務所に持ち込まれる案件で多いのが「対象者の行動調査」です。

浮気調査や素行調査、人探しなどが一番多い案件と言われています。

そんな調査に求められる資格とは、やはり「普通自動車免許」や「自動二輪免許」といった資格でしょう。

最低でも自動車免許は必要なことが多く、求人募集を出している探偵事務所でも、条件に「要普通自動車免許」としている事務所が少なくありません。

そんな現状を考えると、自動車免許は必須項目といえるかもしれません

また、「自動二輪」の免許に関しては、あれば就職に有利と考えられます。

さらにバイクを持っており、それを仕事でも利用できる状況であればさらに有利になります。

探偵事務所の多くは、業務用の自動車は用意しているものの、バイクまで用意している事務所は多くありません。

しかし、業務の中には車よりバイクの方が移動に適している場合もあり、そんなときにバイクを持ち込めるのは大きなプラスになります。

日本で探偵になるなら最低限自動車免許が、できればバイクの免許もあるのがベストといえるでしょう。


参考:探偵は何を調査できる?探偵や興信所の調査内容と種類を解説!


海外の探偵事情

では、日本ではなく海外に目を向けてみましょう。
海外では国によって、探偵業務を行うために資格取得が必要な国が少なくありません。

例えばアメリカの場合は、国ではなく州単位で資格試験が存在します。

この資格試験には、健康状態のチェックや、前科の有無チェックに加えて実務経験も問われる本格的なものになっています。

調べてみると、ドイツやイギリス、フランスなどでも探偵業務に従事するには資格が必要となっており、日本のように簡単に探偵にはなれないようです。

これには理由がきちんと存在し、こういった探偵に資格試験を義務付けている国の探偵は、 捜査においてある程度の権限が与えられているということが考えられます。

特別な権限とは、例えば警察の捜査資料を見せてもらえたり、警察の持っている犯罪者リストを閲覧できたり。

また、警察以外でも社会保険登録番号からの情報検索や、クレジットカードの明細、公共料金の利用明細なども閲覧できる権限を持っています。

また、国や州によっては探偵の特権として拳銃の携帯許可が下りていることも。

これだけの特権が認められる以上、やはり資格試験を設けて選ばれた人間のみにその特権を与えるようにしないといけないのでしょう。

日本に比べて探偵の仕事がより特殊な海外では資格試験があり、一般人以上の特権が与えられず、 あくまでも法の範囲内での活動が定められている日本には資格試験がないということになります。

アメリカでは、探偵になるには資格や免許やライセンスが必要?


実際に探偵になるためには?

実際に探偵になるためには、探偵事務所に就職する方法と、自ら探偵事務所を開設する方法の2種類があります。

探偵事務所に就職するには、まずは求人募集を見つける必要があります

これはネットの求人サイトや、求人情報誌などを探せば意外と簡単に見つかるはず。
後は就職できるかどうかですが、自動車免許があればほとんどの事務所で応募することは可能でしょう。

探偵事務所を開設するにはどうすればいいのでしょうか?

探偵事務所の開設は、所轄の公安委員会に届け出を出す必要があります。基本的に届け出を出せば受け付けてもらえますが、以下の場合は受け付けてもらえません。

  • 未成年
  • 被保佐人(精神上の障害により判断能力が著しく不十分な状況であるとして家庭裁判所の保佐開始の審判を受けた者)
  • 成年被後見人(「痴呆」や「知的障害」「精神障害」などの重度の精神障害を持つ者)
  • 復権を得ない破産者
  • 5年以内に禁固刑もしくは罰金刑を受けた者
  • 5年以内に探偵業の営業停止処分を受けた者
  • 暴力団関係者及び、暴力団員を辞めてから5年以内の者

届け出を提出して問題がなければ、誓約書の提出を求められます。

これは、探偵業務を行うにあたって、法令を遵守して業務を行いますという内容のものになり、この誓約書を提出することで、 探偵業の正式な認可が下りることになります。

認可が下りればその瞬間からあなたは探偵事務所の所長となります。当然探偵ということになります。

日本国内では探偵になるのはさほど難しくありません。

開業するにしても、就職するにしてもさほど高いハードルではありません。それだけに探偵事務所は日本国内に多数存在します。

ハードルが低いということは、悪質な業者も簡単に開業できるということになるので、悪質な業者も後を絶ちません。

そこで、探偵に仕事を依頼するときには、まずはその探偵事務所が優良な事務所か悪徳な事務所かをしっかり見抜く目が必要となります。

そのためには、探偵業務の内情や探偵のシステムについて、ある程度理解しておく必要があります。

探偵の基本を理解して、誠実に仕事をしてくれる探偵に仕事を依頼するようにしましょう。

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