
「探偵」に一度は憧れたことがある、という人は多いでしょう。
ドラマや映画、小説や漫画で見る探偵は、アングラな雰囲気をまとったクールな存在で、とにかくかっこよく見えます。
ですが、そういったイメージ先行で探偵になってしまうと、調査員として就職したあとに、現実とのギャップにうちのめされてしまう可能性があります。
今回は、探偵なることに興味がある方向けに、実際に調査員として就職できた暁にはどういった仕事をするのか、について簡単に解説していきます。
探偵への就職・転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

まずは、探偵事務所にはどういった依頼が持ち込まれるのか、についてみていきましょう。
就活をする際には、探偵事務所によって専門や得意分野は異なるので、自分が興味のある調査を多数扱っている探偵事務所を選ぶ必要があるでしょう。
探偵への依頼と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは浮気調査ではないでしょうか。
探偵に浮気調査を依頼する人はたくさんいます。
それには、探偵に依頼した方が慰謝料をとりやすいから、という理由があります。通常、浮気で離婚をすることになった場合、浮気された側は相手方に慰謝料を請求することが可能です。
浮気による離婚の慰謝料の相場は50万〜300万円ほどだと言われています。
配偶者に対してだけではなく、(既婚と知って関係を結んでいた場合に限り)浮気相手にも慰謝料請求が可能になってきます。
ただし、不倫として認定されるためには、不貞行為(肉体関係を伴う浮気)があったことを立証する必要があります。
そのためには、浮気相手の自宅に出入りしているときの写真またはラブホテルへの出入り写真などを入手する必要があるのです。
こういった証拠は、素人には入手することが難しいため、探偵に依頼を頼むことになりがちなのです。
大切な人がいなくなった場合に、人探し調査を探偵に依頼するというパターンもあります。人探しなんて、警察に頼めばいいのでは、と思う人もいるでしょう。
ですが、警察に捜索願を出したとしても、一般家出人だと認識されてしまったら、警察は積極的には捜索活動を開始してはくれません。
(警察は、捜索願を受け取ったあと、すぐさま捜査する必要がある、事件性の高い家出人を特異家出人。それ以外を一般家出人、と分けます。そして、特異家出人に分類さるれことがなければ、データベースに情報は記録するものの、特別その人のために捜索を開始するということはないのです。)
結婚前に相手の素性を調べたいと考えて、結婚前調査を依頼する人もいます。
結婚前調査では、学歴・職歴・職場での評判・婚姻歴・異性関係などを事前に調べることが可能です。
ただし、前科があるか、部落出身か、などの情報については、差別を助長することになりかねないので法律で調査することが禁じられています。
従業員の素行調査を依頼する会社もあります。
産業スパイだったり、サボりぐせのある社員だったりした場合、企業にとって大きなリスクになりかねないためです。

次に、探偵の具体的な仕事内容についてみていきましょう。
まずは聞き込みを行います。
近所の人や同僚などに、直接会って情報収集を行います。
尾行や張り込みなどをして、決定的瞬間を待ちます。
尾行には、つかずはなれず歩く高度なテクニックが求められるため、初心者は訓練を積む必要があります。
浮気調査などの場合、ラブホテルや浮気相手の自宅などの密室に出入りするとき、証拠を撮影する必要があります。
カメラなどの機材の扱いに慣れておく必要があります。撮影は深夜に行われることも多いので、暗視カメラなど、暗闇でもしっかりと顔を認識できるように撮影できる特殊なカメラを使用します。
ストーカーから盗聴器をしかけられているかもしれない、といった相談が寄せられることもあります。
その場合は、盗聴器を発見する機械などを利用して、盗聴されていないかを確かめます。
調査が終わったら、調査報告書を作成します。
浮気調査などの場合、この調査報告書を裁判でも活用することも多いので、しっかりと裁判で勝てる調査報告書を作成しておかなければ、後々トラブルになりかねません。
今回は、探偵の具体的な仕事内容についてご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか? 大変そうな仕事だな、と思われた方も多いのではないでしょうか。
実際、探偵は早朝・深夜問わず稼働しなければならない仕事です。ですが、人に感謝されることも多い、やりがいの多い仕事でもあります。
・盗聴器の取り外しに必要な免許は?勝手に取り外すのはダメ!
・探偵調査員の給料の相場と面接時に必ず確認したいこととは?
・探偵調査員が入社後に利用する機材、操作に専門的技術は必要?
・探偵学校で資格は取得できる?探偵学校で学べるカリキュラムとは
・探偵に体力や忍耐力は必要?調査員の適正年齢、探偵になる資格